【第23弾】 3つの数字力

ビッグデータの活用が叫ばれ、統計学への注目が集まる中、ビジネスにおける数字の存在感が増して来ています。

ビジネスの共通言語は「数字」です。

従って、数字の裏付けがない議論は、希望や憶測、感想を述べているだけで、解決策が見出せず、ビジネスの世界では意味がありません。

数字が示す事実の共通理解の上で、方向性や解決策を論理的に議論をし、決定し、実行して行く事が必要なのです。

特に現代は昔とは違い、社会の情報化、ビジネスの高度化が進み、数字には強くなければ結果も伴わないのが現状です。

数字力の重要性は経営者は勿論の事、今では部門・部署を任される管理者にとっては必須のスキルとなってきています。

一般的に「数字に強い…」と言われる方は、リスク管理に長けているとされています。

そのような方の特徴として、3つの目を持っていると言われています。

① 鳥の目
高い所から客観的に全体を見渡し概略を把握する

② 魚の目
状況の変化を見極め、どの方向へ行こうとしているのか、時代の流れを素早く把握する

③ 虫の目
低い位置や近い距離から物事を鋭く観察し、個別具体的な詳細を把握する

これら3つの複眼を持ち、経営・部門・部署に関わる様々な数字を見て、その意味する所を探り、数字の裏に隠されている事実や実態を読み解き、その解決策を立案実行する…………これが「数字に強い」と言う事なのです。

いわゆる高度経済成長の時代は、右肩上がりの方向性で「虫の目」だけを持っていれば、経営者も管理者も務まったかもしれません。

しかし、現代は、激動の時代、俯瞰的に全体を把握し、時代の流れを読み取り、その方向性やターゲット顧客、市場など、柔軟に変えなければなりません。

その為には、虫の目だけでなく、鳥の目、魚の目を持ち併せなくてはならないのです。

現代組織で言うと、「虫の目」は主任クラス……現場や担当業務を鋭く観察し、詳細を把握し、改善すべき点は改善する……主任ともなれば「虫の目」は必要でしょう。

鳥の目、魚の目は管理職以上なら持っていて欲しいものです。

管理する部門や部署を客観的に全体を把握し、 

どこに問題があるのか?
流れを見極めターゲットや市場に問題はないのか?
そしていつ迄に、どのような方法で解決をするのか?

を素早くアジャストし、全体を進めて行くのです。

また、部門・部署においては、独自の数字を設定し追求する事も必要です。

例えば、ユニクロの場合、店舗運営部門では
「坪効率」
に重点を置いています。

アイリスオーヤマの開発部門は
「新商品比率」
に重点を置き、発売から3年以内を新商品と定義し、それが売上比率の50%以上と言う目標を掲げ、売上の最大化と言う経営方針との整合性を図っています。

このように、会社内においても、部門や部署によって基軸となる指標を各責任担当者は掲げ、それを追っ掛ける事で企業業績の発展に寄与する……という形をとっています。

このような事が可能になるのも、「虫の目」だけではなく、「鳥の目」「魚の目」を持っている管理者が存在しているからです。

数字はビジネスの共通言語です。

特に現代ビジネスにおいて数字力と言うスキルは不可欠です。

この3つの目を意識してより数字に強くなる事が望まれます。