問題解決と課題解決

皆さん、こんにちは!

漸く、松もとれ仕事も本格化して来た時期ではないでしょうか?

今日は昨年からの引き続きで、「何故か結果の出ない管理職の7つの間違い」から、第4弾をお話しさせて頂きたいと思います。

現代のビジネス社会においては管理職の重要性が問われていると云う事は以前にもお話ししました。

しかし、これは実は今に始まった事ではありません。

現代においては、管理職として本来の仕事をしなくてはならなくなっただけです。

それを負荷と捉えるのではなく、やり甲斐と捉えらえて頂く、または精神的負担を少しでも軽減して頂く、そんなヒントになればと考えご紹介しているモノです。

是非、参考にして頂ければ幸甚です。

さて、今週は、「問題解決は管理職の仕事だ」この様に考えるのは間違いである、と云う事について話しをさせて頂きます。

一見すると正しい、その通りだと思われるかもしれません。

確かに、管理職が問題解決をしなければならない局面がある事は事実です。

しかし、それが管理職の仕事の本質ではないと云う事です。

著者の言葉を引用させて頂きますと、問題とは標準(相手の期待値)を下回った状態の事であると定義付けされています。

例えば、標準品質を下回る‥不良品、約束した標準納期が遅れるなど‥。

この様な問題が発生すれば、誰でも迅速に処理し標準に戻すのは当たり前です。

その事の大きさから、自身で‥先輩上司が‥そして管理職が対応にあたる訳です。

それを「自分が問題を解決してやった!」「仕事をやり遂げた」と自己満足しているだけでは駄目だと云う事です。

何故なら、それだけではまた、同じ事が繰り返されますし、会社として成長したとは云えません。

管理職の真の仕事は、次に同じ問題(クレーム)が発生しない様、仕事の仕組み(スキーム)を考え、部下に教育をし、そして社内標準値を上げて行く、いわゆる課題解決(経営課題解決)にあります。

課題を形成し、それを解決して行く、この繰り返しが管理職としてしなければならない真の仕事なのです。

課題とは、将来あるべき姿(目的、目標も然り)と現状とのギャップです。

あるべき姿を共有し、その手段を立案し、実行し、定着させる事なのです。

問題とは、現状標準と結果とのギャップと云う事なのです(社内や社外でも同様‥一般的にはクレーム)。

問題解決だけをして業績が上がり続けるのなら、それでいいのかもしれません。

誰もが分かる様に、それだけでは、目先の問題を処理しただけで成果には結び付きません。

あるべき姿を追求し、会社標準を押し上げて行く、課題解決こそが本当の意味で成果をもたらせてくれるのです。

筆者がコンサルをしている会社でも、その管理職は問題解決と課題解決を取り間違えていると云う話でした。

その折、研修が終了した後、若手営業マンから次の様な意見があったそうです。

「今日の研修は目から鱗が落ちました。課長達の言っている事は、何か違うと思っていたんです。問題解決と課題解決の違いなんですね。問題解決、迅速な対応と云えば聞こえはいいですが、見方を変えれば顧客に振り回されているだけ。コストもすごく掛かっているんです。小ロットの受注対応や無茶な納期対応をする為、運賃や残業が発生したり、その挙げ句不良を出してその対応に追われたり‥‥。小ロットの場合の料金設定をしたり、短納期は納品期日に条件を付けたりなど、仕組みを取り入れるべきで、それらを考えるのが課長の仕事だと思うのです。要は、うちの課長は目先の業務処理に追われているだけで、これでは会社が良くなりません。先生、どうか自分も頑張りますので課長達にその点を気づかせて下さい」と。

著者は、「きっと相当な矛盾を感じながら仕事をしていたのだろう。しかし、本質が見えている若い営業マンがいる限り、必ずこの会社は変わる」と感じられたと云います。

業務や突発的な問題解決は当然ながらしなくてはなりません。

しかし、それだけを行っていても、仕事として満足感や充実感、面白味は到底感じる事はないのではないでしょうか?

人生の長い時間を仕事に費やすのなら、面白い方がいいに決まっています。

そうするには、課題を自ら形成し、それを具現化する、それを繰り返して行えば、満足感や充実感をきっと味わえる筈です。

その結果、社内外からの評価も上がり、益々、モチベーションが上がる‥‥振り返ると業績も上がっていて自身の給与も上がる‥‥この様な好循環になって行く訳です。

何かを成し得るには苦労は付き物です。

苦労をするから、それを成し遂げた時の喜びは何者にも代え難いのです。

新しい年です。

気持ちを入れ替え、考え違いを改め、自身の果たすべき役割を楽しみましょう!