健全な組織
皆さん、こんにちは!!
随分と寒くなって来ましたね。
つい先日、私自身の不注意から風邪を引き、久し振りに熱も出てしんどい日が続いています。
体調管理はホント大事ですね。
ちょっとしんどいだけでやる気にならないものです。
風邪の引きやすい気候の変わり目でもありますので、皆様におかれましては体調に充分ご注意を下さいませ。
さて、秋の気配がます昨今ですが、プロ野球では長いシーズンも終わり、いよいよクライマックスシリーズそして日本シリーズと佳境を迎えようとしています。
そんな中、闘将星野仙一監督が、持病や成績の責任をとって退任をされました。
恐らく年齢的に今回が最後かもしれません。
そう考えると王・長嶋そして一世代下の星野・田淵・山本あたりまで球界の現場から去る事になり、時代の移り変わり、世代の終焉を感じざるを得ません。
その星野監督の最後の挨拶で、私自身印象に残る言葉がありました。
感謝のお言葉を述べられる中で「最近、ファンの皆様からヤジが飛ぶ様になった」と云う趣旨の事を仰っていました。
そしてそれが一番嬉しいと……。
その様な環境になって来た事はチーム・ファンが健全な方向に進んでいる証拠で、それが選手を成長させ、チームを強くしてくれる原動力の1つになると……。
私も先般同じ様な趣旨の話を朝礼でしました。
当社も幾つかの組織がありますが、その中でも最も健全なのは、十数名おられるパートの方々の組織であるとの話をしました。
何故なら、作業としての仕事も去る事ながら、常に仕事としての効率改善を自分達で考え実行してくれています。
更に作業効率の悪い人には、その組織内からヤジが飛ぶと云う具合です。
通常、ラインで作業をされている人達は目的意識や本気度と云うモノがそんなに高くないので、正社員や会社に対する不平不満、愚痴はあっても、自分達の組織内へのヤジは珍しいのではないでしょうか。
本来であれば、現場を監督している正社員の人が、効率改善を先導して行い、また作業効率の悪い人には注意を促し改善を計ってもらう訳ですが、そんな事をしなくても勝手に組織内で自浄作用が働いているのです。
因って、こちらが喧しく言わなくても、自身達で気づき効率改善してくれますので、チーム力が自ずとアップして行きます。
私自身、その組織に対して喧しく言う事も指導や教育する事もなく、結果に対する組織として成り立たせてくれていますので、本当に助かります。
これが成せるのは、明確で高い目的意識と達成意欲(本気度)、それとリーダーシップがあるからです。
①自分達は何をしなくてはならないのか。
②いつまでに、どこまでしなくてはならないのか。
期限が明確で、定量が明確で、目的が明確になっていると云う事です。
そしてそれらを俯瞰的に把握して目的に向かって進めてくれるリーダーがいると云う事です。
従って、その目的に対して、結果が伴わない人には組織内からヤジが飛ぶと云う感じです。
それにより、本人が気づき改善し結果を出すか?または、ある人は作業効率が落ち結果が出ないので時給をさげて下さいと、その組織から私に連絡があります。
経営者目線で常に自身達の仕事を客観的に見詰め、その中で自分達は何をしなければならないのかを考え真摯に仕事に取り組んでくれているのです。
リーダーだけでなく組織全体が「本気」だと云えます。
これらにより、費用対効果や作業効率が保たれ、改善もされているのです。
当社にあっては本当に貴重な戦力です。
不健全な組織とは、上述の逆です。
期限が不明確……いつまでに為し遂げなければならないのかと云う意識が希薄。定量が不明確……数値や数量を厳守すると云う意識が希薄。目的が不明確……目的の殆んどが手段となっているので作業や業務になっている。
そして自身のやるべき事が不明確……仕事としての優先順位やメリハリがない。
全体を把握・俯瞰し、自ら先導して結果を出し、そしてみんなをあるべき方向に導いて くれるリーダーが不在、これでは組織としての体を成しません。
また、その様な状態の中で組織内の誰からも何の疑問の声や建設的な意見、ヤジが飛ばない様では、互いにキズの舐めあいで組織として強くなって行く筈はありません。
以前もお客様からもその様なご指摘を頂いた事があります。
今現在、当社ではビッグプロジェクトが進行している訳ですが、当初、私達の準備不足からその責任者の方に「侃々諤々(かんかんがくがく)の意見・議論をお願いします」との趣旨の話がありました。
非常に健全だと思います。
これも、目的意識の希薄、期限の不明確から来るもので、言われてから行動をすると云う御用聞き体質が原因です。
議論をするには、「議論の力」が不可欠で仕事をして行く上で基礎スキルの1つです。
この方程式は「議論の力」=「目的意識」×「発言する力」×「聞く力」だそうです。
ここでも目的意識は重要なファクターです。
目的をとことん明確にする事で、その手段が明らかになります。
その手段と云うのは、人それぞれ考える所があり異なります。
それが議論の対称となる訳です。
また、「聞く力」は理解力です。
相手の意図を理解しなければ、当然ながら議論は噛み合いません。
意見や議論そして健全な組織の為にもとことん突き詰めた高い目的意識が必要な訳です。
結果を残そうが、残すまいが何の波風も立たないと云うのでは、プロ野球は勿論の事、私達プロの仕事においても成長はありません。
それでは、何の目的もなく、ただ淡々と作業をこなしているだけです。
まずはリーダーが目的意識を高く、その本気度を見せる為にも結果を期限までに出さなくてはなりません。
自身の成績が悪い様ではいくら組織内に言っても伝わる事はありません。
そして、組織も本気になり、組織内からその組織に対してヤジが飛ぶ様になれば、星野監督が仰る通り、漸く健全な組織へと動き出したと云えるのです。
怒るとは勇気のいる事です。 誰もが嫌われたくないと云う気持ちがあります。
しかし、その仕事に対して本気になれば、怠慢なプレーは目につき、本気で怒れる様になります。
お客様に怒られる……社長に怒られる……みんな本気だからです。
目的意識の低い、本気度の低い、そして結果が伴わない、しかしそれでもリーダーも怒らなければ、チーム内からもヤジも飛ばない……そんな甘いチームが強くなる筈はありません。
それを繰り返すと、最終的にはファンからも見放されてしまいます。
プロである以上、その自覚と誇りを以て結果を出し、ファンの人達に喜んでもらわなければなりません。
ファンあってのプロ野球ですし、ファンあっての私達の仕事ですから……。
チームもファンも高い目的である優勝を常に意識し、それを成し得る為には何を(やるべき事)いつまでに(期限)しなくてはならないのか?を明確にし、それをリーダーが 全体を把握し導いて行く…、その中でやるべき事をしていなかった人、期限がおくれた人、結果を出せなかった人にはヤジが飛ぶ…これが極々当たり前の自浄作用が働く健全な組織だと思います。
星野監督は退任され年齢から見て現場復帰は難しいとは思いますが、今度は高所より俯瞰的に球界発展の為にご尽力して頂きたいものです。