目線
皆さん、こんにちは!!
まぁ~暑いですね。完全に夏本番という感じです。
暑さ対策と十分な水分をとって、この猛暑を乗り越えていきましょう。また、こども達も夏休みに入りましたので、お子さん達へのケアもしっかりとしてあげて下さい。
今日は私の友人の仕事について話しをさせて頂こうと思います。
彼の仕事は、印刷物などで使用する材料のインキを販売しています。
インキの製造は大手が行いますので、その代理店となってインキを印刷会社に販売する訳です。
代理店というと聞こえはいいですが、経済成長時と違い、現代にあっては、インキを仕入れて、ただ単に既存の印刷会社にそれを販売するという御用聞き営業のブローカーの様な存在でしかないというのが現状です。
極端に言えば、製造会社が直接、印刷会社に販売すれば、製造会社は利益率が上がりますし、印刷会社にとっても安い材料を買えることになりますので、彼の会社の存在意義は殆ど無いということです。
唯一あるとするならば、少数でやっていますので、小回りがきくということでしょうか…。
従って、価格競争に飲み込まれ、加えてペーパーレスの時代に入り、印刷業界そのものの市場も小さくなっている関係で、売上も利益も減少傾向にあるという状態です。
このようなことは、今の時代、事の重大さに違いはあっても、大なり小なり、私も含め皆さんも経験されていることと思います。
このようなことから、友人からは経営が大変なのでどうしたら良いか?という相談を受けました。
そこで私は、今のままの誰にもメリットが薄く存在意義が無い商売を展開していても先々の成長は考えにくいと思い、「独自の価値」を生み出せるビジネスモデルを再構築しなければならないとアドバイスをしたのです。
具体的に言うと次の通りです。
まず彼の会社の「強み」は何か?
①インキを代理店価格で購入することか出来る。
②あらゆる印刷会社を知っている。
③小回りがきく
まぁ、これ位です。
そこで考えたのが、「ほけんの窓口」の様なビジネスモデルです。
私達は、一般に言われる様に、保険というものを分かっていても、各保険会社にどの様な保険があり、それが自分に合ったものなのか?ということがわかりません。
ネット上の「ほけんの窓口」では、多様な保険商品の中から、その人の要望に合った保険を選ぶ相談が出来ます。
これにより、お客様は自分に合った保険に加入でき、保険会社も労力を掛けずして商売が成り立ち、「ほけんの窓口」もそれにより利益をあげることが出来ますので、各々にメリットのあるビジネスモデルになっている訳です。
今回の場合、コンセプトを「印刷物をプロデュースする」とし、「印刷物の窓口」の様なビジネスモデルを再構築するということにしました。
私達は印刷会社は知っていても、その会社の特徴まではわかりません。
印刷と一口に言っても、名刺、封筒、伝票、パンフレット、商品台紙、ラベル、カタログ、本などなど、ありとあらゆるモノがあり、1つの印刷会社だけで全てが出来るはずはありません。
それぞれに設備やノウハウが違う筈です。
彼の会社は長年の歴史から、様々な印刷会社との取り引きがあります。
その「強み」を活かして、お客様の要望に的確に応えてくれる印刷会社はどこなのか?誰よりも分かる訳です。
そして、更なる「強み」は、材料が安価で手に入るということです。
それにより、安い価格で印刷会社に販売することも可能で、最終の印刷物も低価格でエンドユーザーに供給することが出来るのです。
このようなビジネスモデルに変更することにより、存在意義の無かった会社が、お客様には的確で安価で質の高い印刷物が出来るので喜ばれ、今までお客様であった印刷会社にもじり貧が続く業界にあって新しい売上が出来るので喜んでもらえる筈です。
そして、彼の会社はそれにより、新しい売上・利益をあげることにもなりますし、この枠組みを印刷会社と構築することで、インキの無用なコストダウン要請や理不尽な仕入れ先変更という恐怖からも逃れることにも繋がり、同業他社からの参入を防ぐことが出来ます。
正に一石三鳥で、関係者の全てが喜べるビジネスモデルとなるのです。
これは彼の会社にしか出来ないビジネスモデルですが、考えるポイントは1つです。
大局的に見て仕事には色々な「流れ」があります。
その「流れ」の中で、自分に順番が回ってきたところで、会社であっても、そこで働く人であっても仕事をし、また次に渡して行く訳です。
よってポイントは、その目線を少し川上に川下にずらして見るということだと考えています。
自分が行っていた仕事の位置から、川上に川下に目線をずらして見るのです。
そうすると、今まで自分の位置で仕事をしていても存在意義が無かったものが、「自分の位置」から少し「川上から川下まで」をすることによって、「弱み」だったモノが「強み」に変わり「独自の価値」を生み出してくれることになるのです。
私達の会社も同様でした。
それまでの立ち位置は、家内工業位の設備で出来る金属部品の製造販売ということでした。
川で言うならば、大きな川から枝別れした小さな川の下流付近にいて、経済成長時には、その小さな川でもふんだんに水量があって仕事が回ってきた訳ですが、現代に於いてはその川も枯れかけてきて、やっと流れて来た時に初めて仕事が出来るという様な感じです。
それを2008年から、今までの歴史と経験から、コンセプトを「モノづくりをプロデュースする」というソリューション事業に切り替え、 目線を遥か大きな川の上流に置き、そこから下流までを仕事として構築しました。
私達はこれを「TMSシステム」と呼んでいます。
そうすることで、今まで自分達は「弱み」だと思っていた部分を「強み」に替えることができ、それが「独自の価値」を生み出し、どの位置での流れでも仕事として成立する訳です。
ポイントは目線をずらして、独自の価値を再構築するということです。
一度、参考にして下さい。
末談として恐縮ですが、友人の会社を紹介させて下さい。
(有)高柳インキ販売
Tel 06ー6976ー3776
です。
印刷物でお困りやご用命があれば、一度お声を掛けて頂ければ幸甚です。
どうぞ宜しくお願い致します。