論語と算盤
皆さん、こんにちは!
なかなか春の陽気とは行きませんね。
今週も春の嵐とも言うべき、暴風雨が日本列島を通過しました。
見頃を迎える桜も、これにより色褪せる感じがします。
皆さんは大丈夫だったでしょうか?
話は変わりますが、銀行の祖と言えば?皆さんはご存知でしょうか?
答えは、渋沢栄一です。
当社も多くの金融関係とお取り引きをさせて頂いていますが、一番最初の商談時において、話をするのが、渋沢栄一の考えです。
渋沢栄一は「論語と算盤」「道徳経済合一説」を唱えられ、考え方の本質とされていました。
簡単に言えば、目先の「金」や「利益」だけに捕らわれるのではなく、「信用」を旨として、大局的・長期的な見地で、山あり谷ありの企業経営を支えなくてはならないという思いで、渋沢栄一は銀行を設立したのです。
昨今、銀行を評して皮肉っぽく「雨が降っている時は傘を貸さず、雨が止んだら傘を無理矢理貸そうとする」というようなことを言われています。
様々な事情はあるとは思いますが、上述のようなことが行われているとすれば、銀行の祖である渋沢栄一の理念とは大きくかけ離れています。
ですから、私は一番最初の商談において、この話をして、互いの価値観が共有することが出来れば、取り引きを開始するということにしています。
それでも人によっても価値観が違いますので、難しい面はありますが、概ね良好な関係を構築出来ているのではないか?と考えています。
私達の一般の営業活動においても、同様のことをスタッフに言います。
新しいお客様との最初の商談時には、まず私達の考えや思い、理念をお話しし、共有し、同様の価値観を構築した後、取り引きを始めなさいとよく言います。
それがないと目先の売上と利益、価格だけになり、やがて過当競争に飲み込まれ、そのお客様との取り引きは無くなります。
渋沢栄一の云うところの論語は、「民、信なくんば立たず」(国民の信頼を失っては、政治そのものが成り立たない。信用が大事)「君子は義に悟り、小人は利に悟る」(立派な人は公益を優先し、つまらない人は私利を優先させる)
この2つが基本だろうと考えます。
人に限らず、会社や政治も本質は一緒ですね。
渋沢栄一は銀行の祖として有名ですが、実はそれだけではありません。
自身が日本最初の銀行である第一国立銀行(現在のみずほ銀行)を創設し、頭取に就任します。
当時は国の法律に従って創設したということで国立となっていますが、実際は民営です。
その後、近代日本に必要になるであろう企業を私財も投じつつ設立して行きました。
その数はなんと約470社を数えます。
代表的な会社を挙げていっても、王子製紙、東京海上火災、日本郵船、東京ガス、サッポロビール、JR などなど……
それ以外、600以上の社会団体の創設に関わったとされています。
かの、ピーター・F・ドラッカーも「渋沢栄一こそが、今日の日本システムを創造した」と評しています。
いわば、日本会社の祖といっても、過言ではありません。
現在、再び世界各国から日本式の経営が注目を浴びています。
私達も、今一度、日本会社の祖である渋沢栄一の理念「論語と算盤」を共有化し、復興への道筋を確かなものにしなければならないと思います。