後継者問題

皆さん、こんにちは!

今週は中国から戻り、2週間振りに東京にいます。

こちらは雨模様で、時折雨脚が強くなり肌寒い感じがします。

この梅雨が終わると暑い夏がやってきますが、特に今年は例年とは違い、東京を中心とする関東では節電による仕事や生活のスタイルの変化は避けられそうにありません。

今から準備をしなくてはなりませんね。

仕事も一緒ですが、最初にどれだけ精度の高い準備をするかによって、あとの仕事の効率に差が出るものです。

中小企業の場合、中長期をかけて準備をしていかなくてはならないことは山積していると思いますが、中でも最も重要で且つ困難な準備は、後継者を育成することではないでしょうか?

昨今、世代交代の進め方や育成という名目で金融関係、会計事務所、コンサルティング関係などによるレクチャーが以前よりかなり増えてきた様に思います。

なぜ、この様に増加したのかを私なりに考えて見ました。

1つは、コンサルティングというビジネスが物理的に増加した為。

2つ目は、激動の時代に入り、やらなくてはならない事や考えておかなくてはならない範囲、そして目配り、気配りをしなくてはならない深さなど、格段に仕事量が増加した為、本当の経営知識を身につけ且つそれを実行し、結果を出さなくてはならなくなった為。

3つ目は、経験の不足

だと考えています。

そして、この経験不足というところが最大の理由ではないか?と思うのです。

知識やスキルだけでは、会社の社長はおろか管理職すら勤まりません。

一世代前に起こった、世代交代の時期は、おおよそ前社長は創業者であったと思います。

ゼロから1を生む苦しみ、その中で共に社員達と汗を流し、1つ1つを形にして来た過程など、創業者の背中を見て育ち、やがて然るべき時に世代交代をしてきたのです。

その時は次世代の育成や進め方などあまり言われなかったと思いますし、日頃の仕事を通じて、創業者の仕事に対する情熱、社員に対する思い、責任感、使命感など勝手にマインドの部分がまず育成され、あとは知識を入れればOKということだったんだろうと思うのです。

しかし、現在起こっている世代交代は3世代目です。

もはや、創業者の苦労は分からずにある程度出来上がったところからのスタートになります。

従って今までは、自然と身に付いて行ったことが、会社の成長と共に希薄になってしまったんだろうと思うのです。

これは当然仕方のないことですが、この様な状況下で、経験や思いが不足しているのではないか?と考えます。

会社は継続していますので、もはやゼロから1を生み出す経験もしようにも出来ません。

今まで、自然と身に付いていた後継者たるものの器が形成されなくなった現状を何とか打破する為に、次世代の育成や世代交代の進め方というレクチャーが増加しているのだろうと考えます。

これは何も、中小企業に限られたことではありません。

大手企業においても、世代が進むに連れ、事務的になり、やがて縮小して行くという例は枚挙にいとまがありません。

ただ、中小企業の場合は組織が大手ほど強くありませんので、あとを継ぐ人がより重要になってくると考えます。

今の方々は、相当の勉強をされていますので、知識やスキルは一世代前に比べてかなり優秀であることは間違いありません。

しかし、知識が先行しすぎ、それがかえって災いとなって、現社長や社内、外との関係が上手く行っていないところがある様に感じます。

もはや、上述の様に創業者が経験してきたことはできませんので、器を形成するには時間が必要になってくると思いますが、1つ私がアドバイスさせて頂くとすれば、志を高くもって欲しいということです。

これをご覧の方が会社員の人であれば、会社を背負って立つ位の志を、後継者の人であれば、日本を世界を背負って立つ位の志を掲げて進んで行こうじゃありませんか!

若い有能な後継者が多く輩出されることで、日本という会社も成長し、世界も成長するのですから。