中国事情
皆さん、こんにちは!
今は比較的穏やかな気候が続き過ごし易い陽気ですね。
今回は少し中国事情についてお話をさせて頂きます。
実は今週の月曜日から、中国工場の社長が来ていて、様々な打ち合わせを朝から晩に掛けて行っていました。
その中で知り得た情報の幾つかをご披露したいと思います。
まず現在の反日感情ですが、民間企業レベルでは対岸の火事と云ったところではないか?と思います。
楽観視するわけではないですが、信頼関係が築けているビジネスパートナーにおいてはあまり大きな問題ではない様に思います。
ただ日本向けの商品を輸出する際の通関において、検閲を強化している為、予定通りに出港出来ないと云うことはある様です。
それ以上に深刻な問題は人件費の高騰です。
物価が急上昇している関係もあって人件費も急激に上がっているわけですが、賃金の高い会社にどんどん人手が流れ、製造会社における人手不足、そこから来る生産の低下は深刻です。
又、原料の高騰や元の切り上げも事態をより深刻化させる起因になりかねない部分もあります。
原料の切り上がりは、約20%アップだろうと思います。
これは北京五輪、今年の上海万博ぐらいまでが需要のピークを迎え、その後は安定するだろうと云うのが大方の見方です。
ただ一旦は落ち着いても、中国を含めたブリックスの経済成長を考えた時、需要の方が供給を遥かに上回ることは容易に考えられます。
従って、代替資源などが開発されない限り、資源の値上げは長期的に見て続くだろうと思われます。
元の切り上げの問題ですが、アメリカ、日本、ヨーロッパなどの圧力もあり、切り上がって行く方向は疑う余地はありません。
しかし、その切り上げ速度は速くはないと考えられます。
それは、中国経済の成長を考える強い中国政府が存在すると云うことが表向きの理由で、実態は1ドル6元になってしまうと、失業者が20%増えてしまい、暴動が起き国が崩壊しかねないと中国政府は考えている様です。
従って元の切り上げは少しづつ行い、その間に内需拡大を実現していかなければならないのです。
上記に加えて不動産バブルの解決など難しい舵取りが要求され、その動向を各国が注視していると云うことだろうと考えます。
私達日本の民間企業においては、現在のデフレ化している日本市場と上述の短中長期で見たインフレ化している中国生産を考えると、今は円高と云うこともあり、中国生産のメリットはあるものの、輸出産業を考慮し円安になって行った場合、中国生産のメリットは徐々に失われて行くことになります。
今後は中国市場への販売の仕組みを構築し、そのリスクヘッジを加速させなければならないと感じます。
私達民間企業にとっても、その判断、決断のスピード、そしてそれを形にし結果を出すスピードが必要で、こちらも又難しい舵取りが要求されそうです。