10年目

皆さん、こんにちは!

まぁ随分この1週間で暑くなりましたね。 本格的な夏がもう間近という感じがします。

この6月で私達の会社は決算を向かえます。 創立から44年目の決算です。

そして、10年前の今日6月24日に先代社長が急逝し、私が慌ただしく社長を引き継いでから、節目の10回目の決算となります。

この10年を振り返って見ると、実に激動で、幾度の苦境、困難を乗り越えながらたどり着いたという思いが強く、感慨深いと同時に 、私は評価というものは人がしてくれるものと考えていて自己評価はしないですが、初めて「よく、頑張って来た」と自分を褒めてあげたい気分です。

引き継いだ当初、会社も過渡期ということもあり、マイナスからのスタートを余儀なくされました。

当然その様な状態からですので、金融関係の協力も100%ではありませんでした。

幸い、社長1年目は、それまで培ってきた東京方面の売上が花開き、過去最高の売上と利益を計上することができ、加えて金融関係にも1億近い金額を返済したことから、信頼を得るまでになりました。

2年目から3年目にかけて、今後を見据えて、中国工場の設立、ISO の導入、人事育成制度の導入、販売管理システムの導入など社内の制度設計と今後の生産体制を構築すべく、矢継ぎ早に実行して行きました。

しかし、4年目、想定していた事態が起こってしまいました。

東京のメインのお客様が全面的に自社中国工場での生産に切り替えられました。

売上が激減してしまいました。

創業事業はじり貧ながらも、何とか東京の売上増加でしのいでいたわけですが、やはり根本的な事業のあり方が是正されたわけではありませんでした。

5年目、売る仕組みを創らなければ、参入障壁にもならず、過当競争に呑み込まれるだけだとの考えから、今までの部品製作から完成品生産に出来る体制を整え且つ小口配送をも出来る流通の仕組みを兼ね備えることにしました。

今の時代、小売り+メーカー機能、メーカー+問屋機能といったように、+アルファのサービスを持ち合わすことで、その会社の存在意義、差別化を図ろうとしています。

私達の会社は、ものづくり+問屋機能+ピッキング小口配送を兼ね備えたものです。

しかし、これには大きなリスクがあります。 そうです。 大きく利益を損なうことになります。

今まで、受注生産で在庫を殆んど持たなくよかったですし、その様なノウハウもありません。

どれだけの在庫を持てばいいのか? どれだけの人を入れればいいのか? どれだけの販売運賃が必要なのか?

何回も何回もシュミレーションをしてスタートをしました。

しかし、机上の計算と実態はそうそうリンクするものではありません。

当初はなかなか売上もあがらず、在庫、賃金などが利益を圧迫し、何ヵ月も赤字の連続でした。

社員達には迷惑の掛からないようにしてあげたいとの思いから、毎年、一般管理費を削れるだけ削り、少しでも早く利益の出る体制を構築していきました。

社員達を守るには、当然ながらある一定の利益額を越えなければなりません。

売上を上げて行ける仕組みを構築し、一方で一般管理費を下げて行けば、方向さえ間違いなければ、どこかの段階で分岐点を越え、あとは拡大して行くはずです。

当然ながら、利益の出ない時期は資金繰りが大変です。

何回も銀行に断られ、もう駄目か?と思ったことは1度や2度ではありません。

創業事業は方向として、じり貧になっているわけだから、どうせ苦しい思いをするならば、将来が明るい方向に向かって努力しなければと自分を奮い立たせて進んで来ました。

その間も、人の採用も一度行いましたし、会社以外でも、地域の役も引き受けました。

全てを呑み込んで、突き進んできたのです。

そして売上も上がり、データ管理も整い、2年前から直轄管理体制にしてから順調に成果が出始め、この10回目の決算は昨年比を大きく上回る結果が出せそうです。

この10年を改めて振り返ると、出港から3年目までは比較的順風満帆、4年目に暗雲が立ち込め、5年目から8年目までは、この先に必ず大陸があるはずだと思いながらも超ド級の嵐に巻き込まれ、いつ転覆してもおかしくない航海が続き、9年目にようやく嵐がおさまり、大陸が見え、そして10年目に上陸をはたした。

こんな感じです。

私を信じ、ご協力を頂いた関係者の皆さん、スタッフには改めて感謝申しあげます。

そして、私達の本番はこれからです。