親父
2001年6月26日、その日は今日とうって変わって雲一つない晴天で、朝から6月とは思えないほどの太陽が照りつけ、気温は30度を遥かに越えていました。そんな中、私は食事も取る時間がないほど忙しく、汗だくになりながら、何百人もの人の対応に追われていました。
その日は、私が最も尊敬する男の葬儀告別式。私が40歳、初夏の出来事でした。
(写真は父 越岡元弘)
父から生前に、「男の価値は、その葬儀の日にわかる」と云うことを聞いた記憶があります。この言葉の意味をその日は身を持って知らされた思いがしました。東大阪の自宅で執り行いましたが、会社関連、友人、知人、親戚は言うに及ばず地元地域の方々は総出という大葬儀となりました。来られた方全員がその死を悼んで下さり、心暖まる葬儀だったと思います。
父は家族を愛し、人を愛し、会社を愛し、そして誰からも愛され、父の周りには人と笑いが溢れる… その様な生き方をした人でした。
父が亡くなる直前、二人だけの空間で、言葉がしゃべれない状態中、私を見て大きく一つうなずきました。それを見て私も大きくうなずき返しました。
「晃司!後のことは頼んだぞ」
「任せとけ」
阿吽(あうん)の間合いがそこにはありました。
あれから8年の歳月が過ぎ、最近ふと思うことがあります。会社の長として、又家族の長として私は本当に、父が守りたかったものを守れているのだろうか?父がしたかったものを一つでも形にすることが出来たのだろうか?と。
男にとっていつまでも、親父と云う存在は大きいものですね。 これからもその答えを出す為に全身全霊を賭して打ち込んで仕事に邁進し、みんなを守り幸せにして行きたいと思います。
親父へ 合掌