国の在り方
皆さん、こんにちは!!
暑さ寒さも彼岸まで…という様に、今は正に季節の変わり目ですね。
話によると、高知ではいち早く、桜の開花宣言が出た様です。
こちらの方も待ち遠しい季節となって参りました。
気候が上向いて来ると、何か?良い事が待っている……そんな感じにもなります。
日本において、この時期に卒業、入学、入社が行われるという事は、明るい未来を暗示する様で絶妙のタイミングではないか?と思うのです。
さて、話は変わりますが、いよいよ4月から消費税8%がスタートします。
「予見された未来」が現実のモノとなる訳です。
皆様方におかれましては、早くにその対策は構じておられる事と思います。
私達も足元ではメイン顧客への新商品導入が決定し、中長期的にも大型プロジェクトが複数、進行しており一応の手当ては出来ている感じがします。
あとは、それらの計画をどれだけ前倒しで出来るか?という事だけです。
そもそも、この度の消費税引き上げは何故行われたのでしょう?
昨年迄、日本においては、税収が目減りし、しかし一方で支出は増え続け、それを補う為の国債で遣り繰りしているうちに、借金が増加の一途を辿っていまいました。
今回の目的は、税収を上げ、借金の補填に充てるという事が大義な訳です。
では何故、税収が減ったのでしょう?
それは、バブル崩壊後、長期に渡る景気低迷により、税収の核であった法人税及び所得税がピーク時の半分になってしまったという事が大きな原因です。
景気に左右される法人税や所得税を税収の核とするよりも、GDP の60%を占める個人消費による消費税を核にした方が、国の経営は安定すると考えますので、方向性としては正しいんだろうと思います。
では一方で何故、支出は増え続けているのでしょう?
原因は様々ありますが、一番の原因は社会保障費の増加が著しい事と云われています。
現在、国の支出は、年間約90兆円で、この20年で20兆円増えています。
お年寄りの方々の増加に伴い、年金や医療に使うお金を働く世代が納める保険料で賄えなくなり、国が約30兆円を負担している格好になっています。
確かに、支出増加の1番の原因は、そうかもしれませんが、国民の生活を考えると、無用に社会保障を削減するというのは如何なものか?と思います。
私自身、本質的課題は別の所にあると考えています。
税収が減り、支出が増えた事は既成事実として理解は出来ました。
然らば、今回の大義である増税によって1000兆円もある日本の借金の穴埋めは可能なのでしょうか?
今回の3%の増税で約8兆円の税収が見込まれています。
しかし、年金の財源不足や医療費や介護費の自然増に充てると、増税分は殆ど残らないというのが現状の様です。
この様な目先凌ぎで良いのでしょうか?
例え、10%にしたからと云って本質的な課題が解決される訳でもありません。
日本の借金は、GDP の約2倍です。
先進諸国の比率は0.6~1.5倍で、突出して高い事がわかります。
単純比較は出来ませんが、財政危機が起きたギリシャをも上回る数字です。
では何故、上述の様な借金でも日本は破綻をしないのでしょうか?
それは、簡単に言いますと、世界各国から、日本は借金を返す能力があると思われているからです。
ここに疑念を持たれると貸し手がいなくなり破綻してしまう訳です。
会社も同様です。
では何故、それだけの借金があるにも関わらず、日本は信用があるのでしょう?
それは、
①国民の貯蓄が借金を上回る1500兆円あると云われている事。
②国債の多くは日本国民が保有している事。
③消費税が先進諸国に比べて低い事。
の3点が大きい要因です。
タンス預金を引っ張り出せば…、国債は日本人が多数保有しているので何かあっても無理がきく…、そして低い消費税を上げれば…大丈夫。
この様に世界各国は見ている訳です。
世界各国はその様な見方をしているにも関わらず、今回の消費税引き上げによって、借金返済への道筋が付けられなかったらどうなるでしょう?
そうなれば、世界各国への信用は失墜しかねません。
上述の①②は充てに出来るレベルのモノではありません。
③を持ってしか道筋を付けられないと考えますが、増税だけでは上述の様に本質的解決にはなりません。
消費税を上げるなら、もう1つ並行してしなくてはならないのが「プライマリーバランスの黒字化」です。
国債という借金に頼らず、税収内で、予算や政策経費を賄うという事です。
これを行う事により③を持って「道筋を付けた」と世界各国は信頼してくれる事でしょう。
それを行うには、以前にも記述しました通り、人口比率に準じた小さい中央政府にし、政策経費を極限まで抑える必要があります。
その為には、規制緩和を断行し、民間で出来る事は民間へ……、道州制を導入し地方でやるものは地方へ…権限を委譲しなくてはなりません。
これから、人口が減少して行く日本にあって成熟した新しい国の在り方をも模作しながら進めて行かなくてはならない課題であると考えます。