良い人=良い上司?
皆さん、こんにちは! 一時の強烈な寒さは少し和らいだ感じがしますね。 ただ、木曜、金曜は天気が崩れるとの事です。 この時期は一雨毎に寒さが進んで行くモノです。
また、忘年会などで帰りが遅くなる事もしばしばあるのではないでしょうか? 体調の壊しやすい時期ですので呉々もご用心を。
さて、今日は先週からの続きとして「なぜか結果が出ない管理職7つの間違い」7回シリーズの第2弾をご紹介させて頂きたいと思います。
第1回目は、管理職の喜びは、外発的動機だけではなく、内発的動機を見い出し、それを原動力にしなければならない!というモノでした。
第2回目は、「良い人は良い上司になれる」このように考えるのは間違いであるという事について話を進めて行きます。
そもそも管理職とはどの様な立場で何をしなければならないのでしょうか? この自身の明確な目的をまず核に据える事と言われています。 結論から言いますと、管理職とは「経営と現場の橋渡しという立場で、現場の意見を反映し、経営目標の達成及び経営課題の解決を具現化する人」と位置付けられています。
従業員アンケートにおいて会社に対する満足度は、「会社の将来性」「ビジョンや方針への共感」「管理体制、システム」などで、上司に対する満足度は、「上司との人間関係」「上司による支援やサポート」「上司からの評価」などで構成されているそうです。
一般的に多い管理職のタイプは、目線の近い先輩または良い友達タイプだといいます。 どういう事かといいますと、どこの会社もそうだと思いますが、若い人達や現場の人達には現状に対する不満や愚痴は大なり小なりあるものです。
「ビジョンや方針がわかりにくい」‥‥。
「経営管理の資料が増えた」‥‥。
「従業員への監視が強まっている」‥‥。
「何かと数字と書類を要求される」‥‥。
「体制に満足行かない」‥‥。
「給料が安い」‥‥。
「会社要求が高すぎる」‥‥。
「要求の割にはアレがないコレがない」‥‥。
「一生懸命やっているのに評価が低い」‥‥。
などなど、不平不満、愚痴が渦巻く中、管理職自らがそれを率先して言っている、又は部下に同調している、この様な一見、部下達にとって物分かりの良い様に見える人を筆者は上述のタイプであるとしています。 もはやこの人達は、良い友達ではあるかもしれませんが、良い管理職ではないと弾劾されています。
また、いずれ仕事の本質を理解する部下が現れた時、その様な人達は決して上司として尊敬は得られる事はないでしょうとも言われています。
ある例を筆者は上げられています。
昨今の利益の低下からA社では、顧客別の粗利益集計を行う様になったそうです。 今まで、顧客別売上集計は行っていたそうですが、営業活動経費を含んだ顧客別粗利益集計を出す様にと経営企画室から通達がありました。
各営業を預かる管理職や部下達から不平不満が続出したそうです。 それでなくとも忙しいのに、また、負荷した仕事が増えてしまうと‥‥。なかなか思う様に事が進みません。
経営企画室の室長は前職からの転職で金融機関に勤めておられたといいます。そこでその室長は、営業管理職や営業マンを集め「手間ばかり掛かって採算が悪い顧客、遠隔地にあって何回も訪問をしているにも関わらず、売上の少ない顧客との取り引きを見直し、営業の生産性を上げて行くのが今回の目的です。社長方針にもありましたよね、営業の生産性向上が重要課題であると‥‥。前職の金融機関では当たり前にやっていた事です」と。
もう‥皆さんはお気づきですよね。 営業管理職と経営企画室室長とどちらが本当の意味での管理職かという事が‥‥。
営業管理職の人達は、自身の本位に立って部下達と共に愚痴を言っているだけです。 しかも一般レベルからいうと出来ていないにも関わらず‥‥。 部下から見ると自分達の事を理解してくれる良い人かもしれません。
一方、経営企画室室長は、営業管理職や営業マンから突き上げられ、要らない事を言う嫌われ者の立場になってしまっています。 しかし、彼は自分本位ではなく会社方針に沿った具体策を打ち出しそれを具現化しようとしているだけです。
当然ながら、どこの社長も自分本位で職責を行っている人はいません。
どうすれば会社を成功へ導けるのか?
どうすればお客様に喜んでもらえるのか?
どうすれば社員達を幸せに出来るのか?
などなど自身の事はそっちのけで日夜365日考えているのが社長だと思います。
その熟考から溢れ出る方針や方向性を現場との橋渡し役となり具現化する為に管理職の方々はおられるのです。
管理職にまず必要な事は、会社の仕組みやルール、方針や方向性、これらの趣旨を充分理解する事だと筆者は言われています。 そして、何か新しい試みや今までにない事が例え起こったとしても、それを負荷したモノとネガティヴに捉えるのではなく、それぞれに経営の目的があるはずだと趣旨を理解する努力から入らなければならないとも付け加えておられます。 理解した上でも、どうしても非効率だと思うモノについては、一緒になって不平不満、愚痴を言う前に、具体的な改善案を提示し意見具申をする、これが真の管理職だと言われています。
従って、部下にとっての良い上司は必ずしも優れた管理職ではないという事です。
私も数年間、商社で働いていました。 直属の上司は本当に優しい人でした。 その上の課を統括する上司は大変厳しい人でした。
あれから約30年の月日が流れましたが、今、仕事をして行く上で脳裏に残っているのは、その時嫌いだった統括課長のお言葉です。 残念ながら、直属の上司の仕事に対しての言葉は1つも記憶にはありません。
親もそうですが、優しいという事は分かっていても脳裏に残っているのは怒られた言葉ではないでしょうか? そしてその言葉が人生を歩んで行く上での道標にもなっているのではないでしょうか? 仕事をするという事は良い仲間であっても友達ではないのです。
管理職の方々は、自身の立場、自身がしなくてはならない目的を明確に肝に据え、若い方々が仕事という人生を歩んで行く上で、時には優しく時には厳しく接し、良き夢先案内人となって頂きたいモノです。