人事考課面談

皆さん、こんにちは!

この週末は急激に寒くなるとの予報です。

アメリカニューヨークでも大寒波が襲い、警戒宣言が出されるほどです。

寒波の襲来に備え、寒さ対策など呉々もご用心下さい。

さて、今週も「何故か結果の出ない管理職の7つの間違い」から第6弾をお届け致します。

今週のテーマは、人事考課についてです。

「人事考課面談は完璧でなくてはならない」この様に考えるのは間違いであると筆者は言われています。

そもそも、100%の人事考課や人事育成制度はないのだと思います。

どこの企業もベストの人事考課を模索しながらも、現状はベターを以って運用していると云うのが実態であると考えます。

私自身も、社員達の給与、昇給、昇格を決定するモノですし、また社員達の成長、育成の為の制度ですので、完璧を記さなければならないと常に考え、改善改善を繰り返して来ました。

しかし、何度改善しても、これで大丈夫だと思える所まで行き尽きません。

漸く最近、人事考課、育成制度には完璧なモノはないのだと気付きました。(ただ、人事考課、育成制度を少しでも完璧なモノに近づける努力は常にしなくてはならないとは思います)

何故なら、この激動の時代、企業も変化を余儀なくされますので、それに伴う考課制度をその都度やり直すのは並大抵の事ではありません。

求める人材スキルも変化します。

加えて、コンピューターが一定の情報を読み取り機械的に評価する訳ではなく、人が人を評価する訳ですので、いくら制度を整備しても、その時点で完璧でないと云えるのです。

しかし、視点を変えると、「人が人を評価する」という事が考課制度、育成制度においては重要で、それにより考課担当管理職からティーチングやコーチングが為され、部下達が成長をする切っ掛けを掴む事に繋がる訳です。

では、考課担当管理職の方々はどの様な観点で考課をすれば良いのでしょう?

人事考課の目的は、部下の育成を通じて組織目標を達成する事にあります。

その目的をまず部下と共有する事。

「これはあなたの成長を後押しする制度です」と云う事を‥。

そして、会社の人事考課、育成制度を下に、「自身が納得出来る様な、筋の通った考課をする事」に尽きます。

その為には、当然ながら、まず、何はともあれ自身の結果やそれに伴う活動実績をしっかりと残さなければ、部下の考課や指摘は出来ません。

自身が結果を残していないのに、部下に指摘するのは筋が通りませんよね。

指摘や評価する方も弱く、甘くなりますし、部下も本気にはなれません。

それでは部下が育つ筈もありません。

ただ、業務的に人事考課を行っているだけになってしまい、考課評価を行う意味が無くなるのです。

従ってまずは自身の結果を残す。そして次に、部下の結果や事実を抑える。

これは定量的な事象なので食い違いはない筈です。

次に、その事実が組織目標からして、どれ位の貢献があったのか?そして、現在の等級スキルから見てどうなのか?を客観的に判断をします。

この辺りまでは、結果や事実に基づく評価なので筋を通し易く、事務的にでも出来るかもしれませんし、考課担当管理職と部下との間に隔たりは然程ない筈です。

 

しかし、育成と云う観点から、その結果や事実はどの様な考え、プロセス、活動から成し得たモノなのか?を見極める必要があります。

お客様から単に言われてやったものか?自らが考え仕掛け活動し創りあげたモノなのか?結果は同じでも人材スキルから行くと天と地の差があります。

企業は、方針に則り、自ら考え、仕掛け、活動し、そして結果を出す人材を育成して行かなければならないのです。

人事考課、育成制度はその為にあります。

その点においては、定量的に表れるモノではない為、考課担当管理職の考えと部下との考えに隔たりが生じる場合があり、そこが管理職の悩む所となるのです。

しかし、もし、部下が考え違いをしているのであれば、考課担当管理職は逃げず、そこを指摘してあげ、部下の育成をしてあげなければなりません。

ここが一番重要で、考課評価をやる意義があるのです。

先般も丁度、弊社において考課評価の個人面談を行いました。

最終的に私も行いますが、定量的に出ている結果は、淡々と結果に伴う評価をすると云う感じです。

しかし、結果より大事な事は、何故?その結果に至ったかと云う、考え方、プロセス、活動が何よりも重要だと思いますので、そこに気が付かない、又は考え違いをしている人にはしっかりと指摘してあげる様にしています。

これが成長には重要な要素だからです。

部下にとっては嫌な事も言われますし、自分は出来ていると思っていても、出来ていないと言われる事もある訳で、中にはムスッとする者もいるのは事実です。

この様なやり取りが考課担当管理職には、億劫に感じるのかもしれません。

しかし、他社の人では言ってくれませんので、その人の成長を思い、嫌がらず、逃げず、心を鬼にして管理職の方々は部下と対峙してあげなくてはなりません。

親心と一緒ですね。

親は子供の成長を考え時、そこから逃げ出す訳には行きません。

何度も云いますが、定量的評価とは違い、そこに至るまでの考えやプロセスが重要で、ココに食い違いがある事が多く、それをティーチングやコーチングをしてあげると云うのが考課評価のポイントなのです。

これにより部下が気付き成長をしてくれれば、本人にとっても望しい結果がついて来ますし、強いては組織貢献にも繋がる訳です。

考課担当管理職には一番嫌な所かもしれません。

その具体的な方法を筆者が、説かれていますので、ご紹介させて頂きます。

「管理職の方々は日々、部下の方々と接していますので、誰よりも言動を見られている筈です。どんな行動をしているのか?どんな考え方を、どんな仕事をしているのかを‥。それを1週間に2つだけ行動記録として書き止めておく事です。例えば、朝令で何かいい提案をしてくれたとか、後輩に作業手順を教えてくれたとか‥そうすれば半年で50個、1年で100個の行動が考課に当たってのデータベースになるのです。そのデータベースを考課の時期にじっくりと分析をすれば、部下がどの様な考えで行動しているのか?を読み取る事が出来る筈です。それがご自分なりの筋が通った考課となり、かなり高い精度で部下の育成評価が出来ると思います。」と。

確かに、この方法なら、裏付けによる自信の持った育成評価をしてあげれる様に思います。

多少、部下と食い違っても、理解を得られるのではないでしょうか?

「人事考課は完璧でなくてはならない」のではなく、人が人を育成評価する以上、完璧な考課は存在しません。

考課担当管理職が、表面づらで業務的に評価するのではなく、成長を本気で思い対峙してあげれば良いだけです。

まずは自ら結果を残し、その背中を見せてあげ、そして、部下の成長を願い親身な忠告をする。その為には、日頃から注意深く行動を見守り、自身が納得出来る筋道を作り、それを通す事が基本だと筆者は言われています。

私自身も、正直、個人面談は憂鬱で、億劫な時があります。

臨む時には、かなりのエネルギーを必要とする為、自分自身を奮い立たせる事もある位です。

全員が結果を出し、そのプロセスにおいても納得の行く行動がとられているのであれば、和気藹々のうちに建設的な話しで終わる事でしょう。

私自身は、結果を出す、そのプロセスにおいて、自ら主体的に考え行動をし、仕事の基準からして間違っていなければ、結果が出なくても然程気にはなりません。

そう云う人は、いずれ結果が出ると考えるからです。

しかし、結果は伴わない。そのプロセスにおいても受動的で、結果を出す為の、自らの考えや行動が主体的に出来ていない。

考え違いをしている。

自身は気付いていないが、私も含め、社内外から客観的に見ても低い評価になっている。

この様な人には、相手が嫌がろうがしっかりと指摘をする様にしています。

しんどいですが‥‥。

従って、その様な人の多い面談の日は、気持ちも重く、疲れると云うのが正直な所です。

ただ、それだけ、何とかしてあげようと、こちらも本気で必死だと云う事です。

これだけの思いと覚悟を以って考課評価面談には臨んであげなくてはならないんだろうと思います。

完璧でなくてもそれだけで十分なのです。

そしていつか、部下が気付き、結果を出す考え、行動が出来る様になれば、きっと部下達も分かってくれる筈です。

諦めず、逃げず、嫌がらず、部下達の成長を夢見て頑張りましょう!