余剰とプラットフォーム
皆さん、こんにちは‼
今週初めは冬が逆戻りしたかの様な寒さで、その後は夏日を記録する位、気温が上がりました。
ちょっと異常な感じさえします。
そんな気候変動が影響ではないとは思いますが、昨日も熊本において震度7を記録する大地震が発生してしまいました。
再び多くの方々が被害に遭われ、犠牲者も少なからず出たとの事です。
まずもって、お見舞いとお悔みを申し上げます。
最近では、そんなに長くない期間で、大きな地震が発生している事も何か気持ちが悪い感じがします。
対岸の火事ではなく、日本においては、いつどこで発生してもおかしくない状況ですので、充分な備えを日頃からしておきたいものですね。
さて、話は変わりますが、新入社員の方々も入社され、約2週間程経過した頃だと思います。
最近その入社式において、社長訓示が劇的に変化をしているといいます。
その理由として、「現在に続く日本経済の不調は、どうやら構造的な問題にあり、その中で継続成長して行く為には、自社も改革をしなければならない‥‥‥そしてそれを具現化する為には、自立した人財を早急に育成しなくてはならない」‥‥‥と社長が気づき始め、危機感を持ちだしたからだといいます。
要は、バブルが弾け‥‥‥リーマンショクに見舞われ‥‥‥デフレが続き‥‥‥アベノミクスで良くなる兆しは見えるものの、実の所、「そうでもないぞ」‥‥‥‥‥‥‥と気づき始める。
バブルの時は、銀行やノンバンクが悪い‥‥‥リーマンショクの時は、アメリカが悪い‥‥‥デフレの時は民主党が悪い‥‥‥こんな感じで、それを作り出した人達のせいにして、それが過ぎ去れば、「また良くなるわ」‥‥こんな調子だったという訳です。
誰々が悪い‥‥‥‥会社においても、よく聞くフレーズかもしれませんが、その様な上辺だけを見ていたのでは、日本経済の本質も、会社の在り方も見失う事になり兼ねません。
日本経済は、アベノミクスで王道の経済対策を断行するも、力強い日本経済の成長は見られず、不調が続いています。
成熟をした先進国日本にあっては、政治も経済も企業も、従来の枠組み、従来の延長線だけでは、最早、力強い成長は見込めず、構造改革を断行し、新たなな成長戦略を打ち出さなくてはならないのです。
従って、冒頭の社長訓示においても、以前であれば友好的で穏和な訓示が定番だったものが、新入社員達の自立を促すべく、突き放す様な過激な発言が多くなっている傾向にあるという事だそうです。
そんな構造変化をいち早く察知して、新たな取り組みをされている企業も多くあります。
キーワードは「余剰は、そのものの価値を下げる」‥‥です。
これは経済原理でもあります。
モノは、余剰になればなる程、その価値を下げて行く‥‥‥‥こういう原理です。
政治における公共事業などの対策も、商品も、余剰になればなる程、その価値を下げ、「思った程の経済効果が出ない‥‥」「思った程の利益が上がらない‥‥」となる訳です。
例えば、住宅建設の場合、少子化を背景に、このままだと、市場規模は間違いなく小さくなって行きます。
そこに幾ら、金利を下げる‥‥住宅控除をする‥‥‥などの経済対策をしても、一時は活性化するものの、少子化という抜本的な課題を解決しない限り、是正される事はありません。
民間企業においても同様で、小さいキャパの取り合いになる為、供給側(同業他社)が極端に減少しない限り、そのものの価値を下げる方向へと進んでしまう事になります。
従来のオーソドックスな手法であれば、「土地を買って建物を建てて販売する‥‥」これが一般的で、上述の様に、そこに、政府は経済対策をし、企業もその枠組みの中でビジネスを展開されています。
そうなると、現代の日本経済においては、ものが余剰となり、そのものの価値を下げ、思った様な結果は得られない‥‥‥こんな事になってしまいます。
そこで、「余剰」という所に目を付け、新たなビジネスモデルを構築し、展開されている企業があります。
エアビーアンドビーというウェブサイトを運営されている会社です。
どの様なビジネスモデルかと言いますと、「空き家斡旋業」です。
住宅は最早、余剰となっています。
国内住宅の16%は空き家だと言われているそうです。
現在、訪日外国人は約2000万人と言われていますが、国内宿泊施設は約1500万室しかありません。
そのお陰で私達も東京や大阪においては、宿泊施設がとりにくい状況になっています。
現状の空き家も去る事ながら、「家に空いている部屋がある」「旅行で家を空ける」など、部屋を貸したい人は、住宅が余剰になっている分、逆に多くなっています。
民泊は現時点では、法的にグレーゾーンですが、上述の余剰空き部屋を貸したい人と、それを借りたい人‥‥‥‥これらを結びつけるプラットフォームをウェブ上で展開されているのです。
現在、200万室を提供されていて、世界最大のホテルチェーン、マリオットが100万室といわれていますので、その倍を供給している事になります。
しかし、エアビーアンドビーは物件を1つも所有していません。
また、Skypeは電話回線を持たずして世界最大の電話会社です。
フェイスブックやアリババ、なども同じ視点からビジネスモデルを構築し、今やその業界においては世界最大となっています。
共通している事は、最終消費者がお金を払って使うモノやサービスを直接自社で販売せず、それらを仲介するプラットプラットフォームを提供している点です。
現代は変革の時代です。
大手企業程、変革のスピードは遅いものです。
変革の時代だからこそ、中小企業にチャンスがあると考えています。
上記の紹介企業も全て新興企業です。
大手企業ではありません。
1つの切り口として、自社のビジネスを見つめ直す時、「余剰とプラットフォーム」という視点で見られても面白いのではないか?と思います。