なぜなぜ分析

皆さん、こんにちは‼

今週は一気に寒くなり、更に一段と季節が進んだ印象です。

流石に11月も終わりですので、例年であれば普通なのかもしれません。

今年も残すところ、あと1ケ月余りとなりました。

慌ただしくなってくる時期ではありますが、「終わり良ければ全て良し」‥‥今年1年の締め括りとして、遣り残す事なく、きっちりと締め括りたいものです。

残り1ケ月、頑張って参りましょう!

さて、話は変わりますが、マイナス金利が続く日銀の金融政策ですが、各金融機関では独自の対応を余儀なくされているようです。

ある銀行の話によりますと、時短に取り組んでいて業務改善を断行し、人件費の削減を図るとの事で、トヨタの「カイゼン」を取り入れているそうです。

トヨタの「カイゼン」「看板方式」は余りにも有名ですが、もう1つトヨタ発祥として全世界企業に取り入れられているのが「なぜなぜ分析」です。

この「なぜなぜ分析」というワードはウィキペディアでも紹介されているぐらい有名です。

「なぜなぜ分析」とは、ご存知の通り、問題の原因を出す為の手法として知られています。

「なぜ」という問いを5回繰り返す事によって、真の原因を探るというものです。

特に生産現場の問題解決法として使われる事が多いようですが、今ではそれ以外の問題に対しても使われるようになって来ています。

例えば、『パソコンの組立てラインで、本来締められていなければならないネジが、設備の故障で締められていなかった』という問題が発生したとします。

①なぜ?ネジが締められなかったのか?

「設備のネジが欠品していた」

②なぜ?欠品しているのに設備が止まらなかったのか?

「センサーが壊れていた」

③なぜ?センサーが壊れていたのか?

「経時劣化のため」

④なぜ?経時劣化が起こった事に気づかなかったのか?

「点検リストに入っていなかった」

⑤なぜ?点検リストに入っていなかったのか?

「ダブルチェックの仕組みがなかった」

「なぜ?ネジが締められなかったのか?」‥‥‥この真の原因は「ダブルチェックの仕組みがなかった事」となり、『その仕組みを構築する事』が解決法となる訳です。

しかし‥‥‥‥一方で、その使い方を誤ると、【犯人探しや個人に責任を押し付けるだけ‥‥‥】になってしまい、真の問題解決に至らない恐れがあります。

例えば、上記例題を応用して見ますと‥‥‥‥‥。

①〜④までは、ほぼ一緒の展開になると思いますので、⑤以降が以下のようになるケースがあります。

⑤なぜ?点検リストに入っていなかったのか?
「Aさんが点検リストに入れ忘れた」
     ↓
なぜ?Aさんは点検リストを入れ忘れたのか?
「問題意識が希薄だから‥‥‥」

こんな感じです。

であれば、解決方法は「意識改革」や「個人スキルアップ」となり、個人の主体性のみに頼る事になってしまいます。

これでは、今、目の前に起こっている問題に対して、チームとしては何の解決にもなりません。

企業として、個人の問題意識やスキルアップは重要である事は間違いありません。

これは企業が並行してやっていかなければならない課題です。

しかし、もっと大切な事は、今の問題に対して、チームとして『現有の人達や経営資源の中でも、間違いのない仕組みにするにはどうしたら良いのか?』を考える事‥‥‥‥‥これが解決方法なのです。

例えば、上記の問題を総合的に考えると解決方法は以下の通りです。

【そのポジションの業務をされているAさんは、問題意識が低いようです。

従って、「点検リストは問題意識の高い上司が作成をする」→「Aさんが点検リストに則ってまずチェックをする」→「次いで別の作業者がダブルチェックをする」‥‥】‥‥これをルール化し、順守する事で仕組みとなり、問題が解決されるという訳です。

ここで、「なぜなぜ分析」を成功させる3つのポイントをお話しします。

❶なぜ?の視点を個人から組織・仕組み・システムに向ける

上述の内容です。

特に、議事を進める人は、個人の意識やスキルを問題にするのではなく、仕組みとしてどうすれば良いのか?の視点を持って進行しなければ何の解決にもなりません。

個人スキルや意識というのは会社の課題であって、会社の社員教育として、意識改革やスキルアップをどのようにするのか?は考えていかなければならない訳ですが、目先の問題とは別次元にあるという事を肝に銘じておかなければ混乱をする事になります。

問題解決‥‥‥‥チームとして個人の問題にせず、仕組みとしてどう解決するのか?

社員教育‥‥‥‥会社として、どう全体のレベルを向上させるのか?

❷なぜ?の視点を意識から行動に向ける

例えば、上記の例題から、「なぜ?Aさんは点検リストに入れなかったのか?」ではなく、「何がAさんに点検リストから外させたのか?」にすると、視点を仕組みやシステムに向ける事が出来ます。

ポイントは、「なぜ?そうなってしまったのか?」ではなく、「何がそうさせたのか?」‥‥‥議事進行する人は、この点に注意をし、行動レベルへと導く事が重要です。

❸なぜ?の主語を「私達」にする

「なぜ?Aさんは点検リストから外したのか?」にすると、問題はAさん個人の意識やスキルに向いてしまいますが、「なぜ?私達はAさんに点検リストから外させたのか?」にすると、問題点が主体的になり、犯人探しから仕組みやシステム改善に視点が向きます。

以上3つが「なぜなぜ分析」を実施する上での注意点です。

冒頭お話ししましたように、この「なぜなぜ分析」は問題解決をする為に、今や、生産現場における問題解決に留まらず、全世界企業において、様々な問題解決の場面で使われている手法です。

3つの注意点に留意をし、大切な事は、個人スキルや意識に視点を持って行くのではなく、組織・チームとして問題を解決する事が重要です。

その為には、「なぜなぜ分析」を単なる手法として捉えるのではなく、議事進行者は「より良くして行こう」という意識をチームと共有し、ざっくばらんに意見を言い合える風土を作らねばなりません。

もう1つ‥‥‥‥‥問題の発生は、今までの行動や仕組み・システムに原因があり、過去を解決する手法ではありますが、未来に目を向ける事も大事な視点であると考えます。

この視点も持つ事で、チームが前向きになり、強いては、意識の改善も図れるのではないでしょうか?

是非、「なぜなぜ分析」を上手く活用し、意識の共有と問題解決にお役立てください!