組織的経営⁉︎
皆さん、こんにちは‼
今週は比較的、快適な天候に恵まれた感じでしたね。
若干、気温は高めな感じでしたが、秋らしい陽気だったのではないでしょうか。
しかし、今年も振り返えりますと、あと約2ケ月を残すのみとなりました。
いつもながら、年々、時の過ぎる早さを感じてしまいます。
一方で企業の成長となると、時の早さとは裏腹に、その遅さを感じ、時間対成長のギャップの大きさに踠いている感が否めません。
これは中小企業の経営者であれば誰しもが抱えている課題なのかもしれません。
まぁ〜これは永遠の悩み‥‥‥という事なのでしょうか?
そんな多くの企業がどのような課題を抱えているかについて、大きな示唆を与えてくれる考え方があります。
アメリカの経営学者、ラリー・E・ダレイナーが考えた、企業成長モデルというものです。
企業の成長段階は5段階あるとし、其々の段階における定義・課題・対応策が明記されています。
そういった考え方、課題対策を基に、企業を成長させていく‥‥‥というのも1つの道筋にはなるかと思いますので、ご参考にして頂ければと考え、掻い摘んでご紹介します。
第3段階、第4段階、第5段階は定義の1つとして従業員が500人以上、1000人以上となっています。
どちらかと言うと中堅企業以上になるかと思いますので、今日は、まず第1段階、第2段階をご紹介します。
第1段階‥‥創業者によるワンマン経営
- (定義)
- ●従業員数は1〜30人程度
- ●組織の形はなく、意思決定はワンマンによるトップダウン
- ●組織の階層は実質的になく、管理はあまりなされていない
- ●業務分担もあまりなく、ほぼ全員が何の仕事でもする状態
- (課題)
- ●組織がない(あっても名前ばかりで、その役割がなされていない)
- ●社内で月次損益が出せない
- ●社内ルールがほぼない(あったとしても、それを実行できていない)
- (対応策)
- ●意味のある組織図の作成
- ●管理者(管理職)の育成
- ●管理職(部長クラス)の外部招聘・採用
第2段階‥‥経営陣によるトップダウン経営
- (定義)
- ●従業員数は概ね20、30人〜500人程度のライン型組織
- ●意思決定は経営陣のトップダウン
- ●単純な組織で表層的なもの
- ●同族者か古参者の一部が管理職についている
- ●管理者の経験に基づく属人的な管理
- ●大まかな業務分担はあるが、まだ1人3役である
- (課題)
- ●直属の上司以外から命令や指示があり、業務が混乱している
- ●責任だけあって権限がない
- ●各数値責任が希薄
- ●特定の人にしか分からない業務が多い
- ●経営に必要なデータの処理が遅い
- ●情報システムに不備がある
- ●不正が散見される
- ●人事制度がなく、お手盛りである
- ●PDCAサイクルが確立されていない
- ●管理職の管理能力が不十分
- (対応策)
- ●実力主義による登用
- ●幹部の採用
- ●権限の委譲
- ●業務分析、業務分担の整理と情報システム整備(人と業務の分離)
- ●人事制度の策定と公開
- ●予実(予算と実績)数値管理、PDCAの徹底
- ●専門家の採用
第1段階〜第2段階は以上の通りです。
おそらく、定義からすると、日本企業の大半が上記に属しているのではないでしょうか?
その中で、現段階で出来ている所、出来ていない所があるというのは致し方ない事です。
それを踏まえ、出来ていない所は上記の対応策を参考に解決を図り、企業を次の段階へと押し上げていかないと成長はありません。
上記の第1段階から第2段階へのキーポイントは、「ワンマン経営」から「組織的経営」へ‥‥‥という所です。
第1段階は創業期も絡みますので、最初から組織があるはずもなく、当然、ワンマン経営で、企業を率いて行く事になります。
その後、それなりに組織が形成されていく訳ですが、それでも創業社長の意向・指示のもとに行動する組織にしか過ぎません。
そのままの体制では、仮に創業者がいなくなった場合、企業として立ちいかなくなってしまうのが必定です。
上記の事だけを考えても、ワンマン経営には限界があり、真の企業成長を考えた時、経営理念や目標のもと、其々の組織が自発的にPDCAサイクルを回す事の出来る「組織的経営」へと徐々に移行をして行かなくてはならないのです。
この組織的経営は第3段階以降においても重要な要素となります。
極端に言えば、「組織的経営なくして、企業成長なし!」と言えます。
第2段階における組織的経営‥‥‥まだ従業員数が少数の時に、組織的経営を構築しておく‥‥‥‥‥ここが企業成長のポイントのようです。
その為には、右腕左腕になる管理者を教育・育成‥‥‥或いは外部招聘・採用が最重要課題となります。
また、組織的経営の構築に向けた考え方のポイントとして‥‥‥‥‥‥‥
- ●自立的に動く組織になっているか?
- (社長が喧しく言わなければ動かない組織では意味がありません)
- ●経営の方向性を認識し行動しているか?
- ●情報の共有はなされているか?
- ●人材の自己成長を促し、フォロー出来る組織になっているか?
- ●予実(数値管理)、PDCAサイクルを自発的に出来る組織になっているか?
この上記5項目が出来ていれば、最早、表層的な形だけの組織ではなくなっています。
これは、稲盛和夫さんの提唱する「アメーバ経営」と考え方は同様です。
まず、第2段階において、上記の組織を構築する事が出来れば、第3段階への成長は容易なものです。
これらを構築するには、トップ主導のもと、自ら意識を変えて行く事の出来る管理職が中心となり、全社一丸となった取り組みを実施して行く必要があります。
第1、第2段階で企業成長が思ったように進まない‥‥‥‥‥そのような時は、一度「組織的経営」を考えてみてはどうでしょうか?