新しい事より違う事‥‥

皆さん、こんにちは‼

 

今週は比較的、天気は良かったですね。

ただ、寒くなったり、異常に暑くなったり‥‥‥‥また、着る服装も半袖にしたり、長袖にしたりと、対応に苦慮する感じでした。

 

昨日は、関東では真夏を思わせる陽気かと思えば、北海道では雪‥‥‥考えられない気候ですよね。

 

これだけ寒暖が激しいと体調を崩される方々も多い事と思います。

 

どうぞお身体をご自愛ください。

 

さて、話は変わりますが、中小企業の成長戦略を考えた時、どの方向に向かって進んで行けば良いのか?‥‥‥特に混沌とした閉塞感がある現代にあっては、その方向性すら見えて来ない事がしばしばあります。

 

「今のままでは駄目だ‥‥‥」という事は誰しも分かっているのに、何をしていいのか?分からない‥‥‥このような感じです。

 

その時の考え方のヒントとして、「新しい事をするより違う事をする」‥‥これを念頭に置いて方向性を見出す‥‥中小企業にとってはこの戦略の方が良いと言われています。

 

鈴木信行さんの「成功の法則」を引用させて頂き、話を進めさせて頂きます。

 

ビジネスで成功する近道は、手垢のついていない「新しい事」をする事である‥‥‥‥一般的にはこのように考えられています。

 

しかし、そもそも「新しい事」は、そう簡単には発見できません。

 

有望なニュービジネスは往々にして、バイオや環境など、先端分野に偏っています。

 

また、「新しい事」は世の中にとっても、「新しい事」ですので、万一発見・発明できたとしても、それを世に知らしめる為の広報に莫大な時間と費用が必要になります。

 

中小企業の研究開発と資金力では困難だと言わざるを得ません。

 

従って、新しいイノベーションを生み出し、競争相手が少ない市場を創出して成長を目指す‥‥‥‥これは中小企業向きの考えではなく、大手企業向きの考えなのです。

 

中小企業に向いている戦略は、他人と同じ土俵で「違う事」をする‥‥‥この考え方です。

 

画期的な技術や並外れた先見性を持つ一部の中小ベンチャーは別として、私達のような普通の中小企業が飛躍をするには、競争相手が多い既存の市場で、且つそこにおられる多くの顧客が抱える不満を解消する‥‥‥既存市場において「違う事」をする‥‥この考え方が中小企業向きの成長戦略であるといえます。

 

一例を挙げますと、ハーバードの必修教材になった「7分間の奇跡」があります。

 

これは新幹線の車両清掃の話ですが、7分間で車両清掃を終える模様が「7分間の奇跡」として国内外のメイディアで話題となり、これが「スタッフの意欲を高める経営例」としてハーバードビジネススクールの必修教材になったのです。

 

清掃というビジネスは何も「新しい事」ではありませんよね。

 

清掃という言葉だけを考えると、誰もができる仕事です。

 

従って、競争相手が多い既存市場ともいえます。

 

では、その中でどのようにして「違い」を演出されたのでしょう?

 

これを実現されたのは「テッセイ」という会社です。

 

元来、車両清掃時間を短縮したい‥‥‥このような課題を慢性的にJRは持っていました。

 

しかし、その課題をクリアしてくれる清掃会社が現れない‥‥‥どうしても10分位は掛かってしまう‥‥‥‥こんな背景がありました。

 

そこでテッセイはまず、社内意識の改革をしました。

 

清掃現場は3Kの職場で、「所詮は清掃員‥‥‥」こんな意識が蔓延していたといいます。

 

これはどこの清掃会社でも少なからず同様の意識ではないか?と思います。

 

この意識では、やらされている感が満載で時短などできる訳ありません。

 

そこで、テッセイでは、単なる清掃会社による車両清掃ではなく、車両清掃をスタッフの技量を見せる「新幹線劇場」と銘打って新企画を練る事にしました。

 

いわば、演劇俳優がお客様に喜んで頂く為、自身のスキルを身につけ、稽古に稽古を重ね、そして舞台に立つ‥‥‥‥こんな感じです。

 

新幹線劇場‥‥‥この概念によりスタッフ達の意識が変わり、どうすれば新幹線劇場を楽しんでもらえるのか?を各々が考え始めました。

 

まず、新幹線には数多くの車両や座席クラスがあります。

 

それぞれの構造を徹底的に勉強し分析して行きます。

 

そして、どうすれば効率よく、短時間に清掃を終える事ができるのか?を導き出します。

 

また、清掃衣装はこんな感じにしよう‥‥‥‥清掃道具はオシャレなものにしよう‥‥‥

 

舞台を作り上げるストーリーができあがって行きました。

 

その結果、他社には無い、新幹線清掃に特化した清掃技量と高度なオペレーションシステムが完成しました。

 

これが他社との「違い」を顕著なものにし、いわゆる「7分間の奇跡」を実現したのでした。

 

これによりJR側も新幹線の本数を増やす事にも繋がり、収益性が向上し、その信頼関係は揺るぎないものとなりました。

 

現在も「新幹線劇場」は開演中です‥‥‥‥

 

私達、中小企業の目指すべき方向はここではないか?と考えます。

 

これであれば「新しい事」とは異なり、莫大な投資費用も発生しません。

 

簡単には真似のできない「違う事」をしていれば、後から大手企業が参入をしてきても怖くありません。

 

「違う事」とはノウハウや仕組みですので、資本力があるからといって一朝一夕ではできません。

 

誰もいない遠い未知の世界に宝の山はありません。

 

チャンスは、多くのライバルがひしめく目の前の市場にあるのです。