全社員は経営者

皆さん、こんにちは‼

今週はすっきりしない天気が続きましたね。

何やら秋雨前線が影響しているとの事らしいです。

暑い日が続いていましたので、急に秋雨前線と言われても何か違和感がある感じもしますが‥‥‥‥。

しかし、振り返ると、はや9月の中旬‥‥‥‥昼間も少し前まではPM 8時近くまで明るかった訳ですが、今やPM 6時半頃には真っ暗です。

そして‥‥‥来週は最早、お彼岸です。

「暑さ寒さも彼岸まで‥‥」先人達からして、もう秋なのしれません。

さて、読書の秋ではないですが、先般、本田宗一郎さんの本を読んでいました。

私は、何か?心に靄(もや)がある時、気持ちが萎えそうな時、経営者の先人達の本を読むようにしています。

今までも数々の書物によって随分と救われてきたものです。

日々の仕事では様々な課題や上手く行かない事が山積していますが、これらの本を読む事で、勇気が湧き、明日からの活力となるものです。

ある方が書かれた「一流の育て方」という著書の中に、このようなくだりがあります。

「一流の人は、ほぼ例外なく凄まじい読書家である。読書をする習慣はその人の知識や考え方、視野を広げ、知性及びリーダーシップの成長に、決定的な影響を与えるものだ」‥と。

秋の夜長‥‥‥読書の秋もいいものかもしれませんね。

話は戻りますが、今日は先般読みました本田宗一郎さんの「考え方」を少しご紹介させて頂きたいと思います。

松下幸之助さん、稲盛和夫さん、そして本田宗一郎さん‥‥‥‥現代において尊敬する経営者として必ずと言っていいほど名前が挙がってきます。

もうひと世代前であればトヨタ自動車の創業者 豊田佐吉さん‥‥という事でしょう。

勿論、その実績も去る事ながら、ゼロから起業をし、紆余曲折・暗中模索しながら、それを成し得た創業者の「苦悩からの考え方」に皆さんが共感し、目指すべき指標として尊敬をされているのだと思います。

正しく深い考え方を学び、そして成果を上げていく事で、自信が得られ、人間力も増幅していくものではないでしょうか。

本田宗一郎さんの基本的な考えは「自由」と「平等」です。

彼は学閥や故郷閥など全ての閥を否定されています。

笑い話として、唯一、閥を容認しているのが「小学校卒閥」だと言います。

まぁ〜大概の人は小学校を卒業していると思いますので、これでは弊害が及ぶ閥には成り得ませんよね。

また、自身の自宅には一度も社員の方々を呼んだ事がないと言います。

かの懐刀と言われた斎藤さんでさえ、一度も呼ばれた事はないそうです。

これもまた、えこひいきを避け、平等を貫くぬく為に行ってきたケジメだと言われています。

このように、会社内の身分による差別やえこひいき、そして閥を嫌い、自身の親族さえも一切入社させる事なく、徹底して平等を重視しました。

全ての人達が平等で働ける環境‥‥‥これが本田宗一郎さんの考え方の原点であると言えます。

「全社員もまた経営者である」‥‥常々彼が言われている事ですが、これも「平等」からくる考え方の一貫です。

従って、全社員は経営に参加する権利と義務があるとしています。

経営に参加する権利‥‥‥新入社員であろうが、中堅社員であろうが、誰もが垣根なく「自由」に経営に対して建設的な発言ができる環境を構築し与えています。

ここまで聞けば「何と素晴らしい会社だ」と思われる事と思います。

私も間違いなく、素晴らしい考えだと共感します。

しかし、一方で、経営に参加する義務‥‥‥と言われています。

即ち、全社員は経営者‥‥‥会社をどうすれば良いのか?どうすれば成長するのか?どうすれば発展するのか?どうすれば優れた商品を作る事ができるのか?どうすればより良い職場環境ができるのか?どうすれば時短ができるのか?などなど、経営者であれば義務と言われずとも、当たり前に考え行動している事を、全社員も当たり前に考えて行動をしなさい‥‥‥という事を求めているのです。

平等な職場環境、そして誰もが自由に、経営に参加できる権利を与える‥‥‥故に、全社員は会社発展の為の義務を負ってもらいたい‥‥‥‥‥こういう事です。

至極、当然の事だと思いますが、懐が深くもあり、優しくもあり、そして厳しくもある考え方ではないでしょうか。

平等で自由を社風としたホンダにおける上下の序列は、学歴や年功序列ではなく、又、えこひいきやコネでもありません。

純粋に「アイデアの質と結果」と言う事だそうです。

本田宗一郎さんは「私自身、アイデアの質が低下し、抜かされたと明らかになれば、いつでも社長を辞める」‥‥このように言われています。

全社員が経営者‥‥‥会社発展の為のアイデアを全社員が考え、そして結果を出して行かなければならない‥‥‥‥‥こう言う事なのですね。

本田宗一郎さんは、最後にこのような事を言われています。

「会社を定年退職する時、大過なく過ごせて幸せだった‥‥などとは絶対言うな。色々失敗もしたけど面白かった‥‥と言えるようにしろ」‥‥と。

平等と自由‥‥そして権利と義務の中に「チャレンジする事の重要性」を説き、失敗を許容する‥‥‥現に、ホンダの幹部役員の中には、大きな失敗をした後、敗者復活によって登用された方が少なくないと言います。

経営者も又多くの失敗を重ね、それを糧として、また新たなチャレンジを行い、会社発展の道筋を描いています。

如何なる社長といえども、100%成功をするチャレンジはありませんし、100%成功するのなら、それは最早チャレンジとは呼びません。

この当たり前の事を本田宗一郎さんは許容をし、社内においても、チャレンジする人を重要視し、失敗しても、次の機会を与えて来られたのだと思います。

このような社風により、社員の方々も安心してチャレンジができるのだと考えます。

1度、大きなミスをすれば出世から遠ざかる‥‥‥という事は多くの企業で見受けられます。

それでは、誰もがチャレンジするリスクは取らないと思いますし、従来の仕事がある中で、自身に負荷が掛かるような事はしたくないはずです。

これでは、打算的になってしまうのは必然です。

以前の安定成長していた時代ならいざ知らず、現代においては「チャレンジ」をし続けなければならない時代です。

「アイデアの質を高め、そのアイデアの下、チャレンジをする‥‥そして結果を得る」‥‥これが序列の基準である‥‥‥本田宗一郎さんの考え、ホンダの社風は今の時代、大いに見習うべき点があるのではないでしょうか?

私もまだまだ反省すべき点は多々ありますが、「全社員は経営者」‥‥気持ちを一丸にして、目指すべき目標に対して全社で突き進む‥‥‥こんな会社が理想です。

「失敗とは何もしない事」‥‥‥‥全員参画のもと、どんどんチャレンジをして行きたいものです。

最後にホンダの経営方針をご紹介しますので、是非ご参考に‥‥‥‥‥‥。

経営方針

① 常に夢と若さを保つこと

② 理論とアイデアと時間を尊重すること

③ 仕事を愛し職場を明るくすること

④ 調和のとれた仕事の流れを作り上げること

⑤ 不断の研究と努力を忘れないこと

本田宗一郎