戦略と戦術

 皆さん、こんにちは‼

早いもので、もう8月も終わりですね。

一時のうだるような暑さも峠を過ぎたのか?朝晩は幾分かマシになってきたように思います。

そして、来週末からは、はや9月‥‥‥‥。

バタバタしていると時間ばかりが経って、ふと顧みると、思い描いた結果が得られておらず「何をしてきたのだろう」と思う事もしばしばあります。

‥‥‥‥‥‥‥‥何故そうなるのか?と考えますと、やはり受動的な‥‥受け身的な業務や作業に翻弄しているからだと気付かされる事が多々あります。

戦略と戦術‥‥‥‥これは戦争用語でもありますが、今や一般的にビジネス社会では使われる言葉です。

ビジネス社会も戦争という事なのでしょうね。

仮に、戦争という事で考えると、相手が急に何の前触れもなく攻めてきた‥‥‥‥‥これはもはや完全に受け身に立たされ、何の準備をする間もなく、バタバタとその場を対処するしかなくなります。

そしてこの様な対処を余儀なくされると、多くの犠牲も伴ってしまう事になります。

しかし‥‥‥‥事前の情報収集や偵察を行い、この時期に相手が攻めてくるかもしれない‥‥‥と把握できれば、その迎え撃つ準備をする時間を設ける事が可能になります。

これにより被害もある程度、未然に防げる所もでてきます。

また、逆にこちらから攻める場合、更にその準備期間に余裕ができ、じっくりと戦略と戦術を練り行動に移す事ができます。

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」‥‥です。

この孫子の兵法にも、主体的な戦略と戦術の重要性を読み解く事ができます。

当然ながら、思い描いた結果‥‥‥という事になれば、受け身ではなく、自らが戦略・戦術に基づいて、こちらから攻めて行く‥‥‥‥この方が目的を果たす確率は断然高くなる事は言うまでもありません。

まずこれらの違いを十二分に理解し、事象を全て同じレベルで考え行動するのではなく、区別をして対処する事が求められます。

仕事に置き換えますと、冒頭の『バタバタしていて時間だけが過ぎ去り何の結果も得られていない』‥‥‥‥‥‥‥という事は、何の前触れもなく相手の言われた事に対して、受動的に対処しているだけという事に他なりません。

この対処には犠牲が付き物で、その最大の犠牲は「主体的な時間」となります!

これを繰り返していたのでは、その起こった事案に対処はできていても、自分達の目的を果たせる事はありません。

企業の場合、何の前触れもなく‥‥‥の対象になるのは、殆どの場合、既存顧客や上司です。

新しい顧客や見知らぬ人から、急に何の前触れもなく対処しなければならない事案が発生する事は、まず考えられません!

であれば‥‥‥既存顧客であっても、上司であっても、日頃からのコミュニケーションが重要で、情報収集を怠らなければ良い訳です。

ルートセールスにおいては「いつ注文が入るのか?在庫はどんな状況か?」「商品開発状況は?」「納品商品に不具合はないのか?」「相手の要望や真意はどこにあるのか?」などなど‥‥‥‥‥‥急に言われて困る事案の情報収集をして、そうならない様に実質準備や理論武装をしておく‥‥‥‥‥‥これが肝要なのです。

仕事の出来る人は、コミュニケーション力に優れ、情報収集が万全で、まず起こるのであろう事案に対して、しっかりとした準備が整っていますので慌てる事はありません。

起こってから対処する人‥‥‥‥起こる前に対処をしておく人‥‥‥‥‥‥‥これが仕事においては雲泥の差となるのです。

これらの考え方、時間の使い方の区別をして行動をすれば、行動=結果となる確率が上がり、「何をしてきたのかわからない?」という時間の使い方にはならないはならないのだろうと思います。

自戒も含め、時には立ち止まり、これらの考えに立ち返る事も必要なのかもしれません。

戦略と戦術の違い‥‥‥‥‥をおさらいしますと、戦略とは、「将来進むべき方向性」という意味合いで、将来何をすれば良いのか?将来何をする事で利益を得るのか?‥‥‥‥この様な事を主眼に描くものです。

原則として中小企業の場合は社長マターだと考えます。

例えば、「今後は新しいビジネスモデルで将来利益を得る」‥‥将来この事業は利益が出ないから「この事業は徹底」‥‥‥又は「この事業は拡大」など‥‥‥‥‥‥いわゆる『将来、何をする事で利益を上げていくのか?』の方向性を明確に描く事‥‥これが戦略という位置づけです。

一般的に戦略の考え方として、「切り捨てるものを明確にする」‥‥「ビジネスモデルを構築する」「利益を上げる仕組みを構築する」‥‥‥と言われています。

戦術とは、その方向性(戦略)に基づいて、如何にすればその目的を果たす事ができるのか?‥‥‥従って手段ややり方を考える事なのです。

いわゆるPDCAは戦術に対する計画・実行・検証・改善という事だと理解すれば良いかと思います。

方向性(戦略)に基づく目標設定をし、その達成の為の手段・やり方(戦術)考え、計画(期限)をもって実行する‥‥‥立ち止まり、検証し、問題があれば戦術を見直し、再び計画の下、実行する‥‥‥‥この繰り返しです。

PDCAに戦術が無ければ‥‥‥または、戦術があっても実行しなければ、最早それは絵に描いた餅‥‥‥希望的観測で100%目的を果たす事はないでしょう。

現代において中小企業の停滞や衰退の多くは、戦略が無かった事が原因であると考えられています。

その昔、高度経済成長やバブルの頃、中小零細企業も全盛でした。

戦略‥‥何をもって利益を得るのか?

アメリカ型の大量生産・大量消費‥‥‥モノが無い時代、内需の拡大と共に、このビジネスモデルは日本全体を席巻し、中小零細企業に及ぶまで、その利益を上げる仕組みにより恩恵を受けていました。

バブル崩壊以降、大量生産・大量消費のビジネスモデルに陰りが見え、モノが売れない時代へと突入し、そのビジネスモデルでは将来利益を上げ続ける事が困難な状況になりました。

そこで、本来は各企業共、戦略の転換を図る必要があったのです。

しかし、多くの中小零細企業は戦略の転換を図る事なく、今までの戦略を固辞し、その延長線上での戦術論を躍起になって展開していた為、衰退して行ったのだ‥‥‥‥と言われています。

いわば、戦略と戦術の違いを取り間違えていた‥‥‥又は分かっていなかった事‥‥‥‥これが原因だという事です。

現代のビジネス社会は、経済成長やバブル時と違って戦国時代の様相を呈しています。

以前の様に市場が拡大し続けているならいざ知らず、市場が縮小していく現代にあって、企業はその市場の取り合いです。

正に戦争と言っても過言ではありません。

そこで勝ち続けるには、戦略と戦術がなければ、太刀打ちできないのは明白です。

『戦略無き企業に成長なし、戦術無き企業に成功なし』‥‥‥‥‥‥‥。

組織として、社長が戦略を‥‥‥管理職は戦術を展開し目的を果たす‥‥‥‥戦略と戦術の両軸とそれらを遂行する人物‥‥‥これらが不可欠です。

これからの時代、こういう企業でなければ成長は難しいのではないでしょうか?